ブレーキのフェード現象と、それを見極める方法について
フェード現象はあまり知られていませんが、自動車を運転する上でとても重要な問題です。ブレーキのフェード現象は、ブレーキパッドの過熱によってブレーキシステムの効率が一時的に低下することで発生します。
ブレーキを集中的に使用すると、ディスクとパッドの間の摩擦が原因でかなりの熱が発生します。このような高温条件下では、構成樹脂の燃焼によって発生したガスが摩擦材から発散されます。このガスがパッドとディスクブレーキ面の間に介在することで、摩擦係数が低下します。この現象がフェード現象と呼ばれるものです。
次のようなフェード現象の兆候は軽視すべきではありません。
- ペダルのスポンジ現象:最初に表れる兆候は、ブレーキペダルを踏み込んだときの感触がスポンジのようになる現象です。つまり、反応が鈍くなります。多くの場合、ペダルが普段よりも沈む感じがするので、この異常には容易に気付くでしょう。
- ブレーキ効率の低下:特に長時間のブレーキ使用でブレーキ効率の低下を感じることも、フェード現象の兆候かもしれません。
- 刺激臭:ホイールから焦げたような刺激臭がするのも、ブレーキが過熱していることを示す典型的な兆候です。
ベーパーロックと、それを見極める方法について
ブレーキフルードが沸点に達し、油圧回路内に蒸気の泡が発生すると、ベーパーロックが発生します。
ブレーキフルードには吸湿性があるので、周囲環境から水分を吸収します。そうした水分がブレーキフルードに含まれることで、ブレーキフルードの沸点が急激に下がります。過熱状態では、水分が気化してブレーキシステム内に蒸気の泡を発生させることがあります。
次のようなベーパーロックの兆候は軽視すべきではありません。
- ブレーキペダルを踏み込んだ感触が柔らかい:ブレーキペダルを踏み込んだ感触が普段より柔らかい場合は、回路内に蒸気の泡が発生している可能性があります。
- ブレーキペダルのストロークが大きい:しっかりとブレーキをかけるために、普段よりも強くブレーキペダルを踏み込まなければならないと感じた場合は、ベーパーロックが原因かもしれません。
- 制動力の低下:特にブレーキを激しく使用している間や、そうした使用の後で(長い下り坂や長時間の制動など)、ブレーキ効率が著しく低下することがあります。
ブレーキシステムに異常がある場合、フェード現象やベーパーロックが発生していることを確認したら、まずは冷静に対応することが重要です。できるだけエンジンブレーキを使って徐々に速度を落とし、停車してブレーキを冷やすことができる場所まで移動しましょう。ベーパーロックが発生した場合は、ブレーキシステムの完全なエア抜きを行い、同時にブレーキフルードを交換することをお勧めします。
フェード現象とベーパーロックの違い
フェード現象 |
Vapour Lock(ベーパーロック) |
ペダルのスポンジ現象 |
ペダルの踏み込みが柔らかい |
ブレーキ効率が低下する |
ブレーキペダルのストロークが大きくなる |
刺激臭 |
制動力の低下 |
フェード現象やベーパーロックは防げるのか?
安全で快適なドライビングと、不安なく自信をもってブレーキを操作するためには、こうした現象の発生を防ぐことがとても重要です。こうした現象の要因は多岐にわたりますが、その要因を排除し、影響を抑えるように努めることで、ブレーキやブレーキフルードの過熱を抑えて、安全なドライビングに集中できます。
過度の摩耗はフェード現象のリスクを高めるので、ブレーキパッドとディスクの状態を定期的に確認することがとても重要です。さらに、ブレーキパッドの製造工程では、フェード現象を防ぐためにスコーチと呼ばれる熱処理が行われます。これはパッド表面を600/700°Cまで加熱するもので、摩擦材に含まれるガスや樹脂が高温の効果で燃焼され、摩擦係数が一定に保たれます。
一方、ベーパーロックを避けるために運転中にできる簡単な操作もあります。下り坂ではエンジンブレーキを使ったり、過積載を避けたりすることが効果的です。また、ブレーキフルードを2年ごとに定期的に交換するか、自動車メーカーの規定や推奨に従って交換することでも、ベーパーロックを防ぐことができます。
常に高品質の部品を選ぶ
自分のドライビングスタイルに合った高品質の素材や部品を選ぶことも重要です。
Bremboのブレーキパッド、ディスク、およびブレーキフルードは、最高の構造基準に基づいて設計され、テストされた高品質の部品です。ただし、ブレーキの性能を最大限に引き出すためにはブレーキシステムの適切なメンテナンスが欠かせません。
スポーティなドライビングスタイルを楽しみたい方には、フェード現象やベーパーロックを防ぐのに最適な
Xtraシリーズのブレーキディスク、パッド、ブレーキフルードをお勧めします。